カルザイ大統領が国連大学で講演

今後10年は支援が必要


講演するカルザイ大統領
7月7日、アフガニスタンのハミード・カルザイ大統領が「アフガニスタンの国家再建:過去の歩み、現在ある機会、未来への挑戦」と題し講演を行いました。民族衣装と帽子をかぶって登壇した大統領は、日本がDDR(元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰)とDIAG(非合法武装集団の解体)に主導的な役割を果たし継続的な支援を行っていることに謝意を表明。海外に避難していた450万人がアフガニスタンに帰還したほか、600万人の子どもが学校に通っていること、医療を受けられる国民の割合が2001年当時の10%から70%にまで回復していること、近隣諸国との貿易額が大幅に増加していること、経済成長率が2桁台で推移していることなど、国家の再建が着実に進んでいることを紹介しました。

一方、アフガニスタンは現在も世界で最も貧しい国の一つであり、識字率は世界最低レベル、乳幼児死亡率も高く、テロによって子どもたちが犠牲になり、せっかく再建した学校や病院が破壊されている事実に言及。治安維持に必要な警察官が1人で1500人から2000人の市民を守らなければならない状態にあることや、学校に通えない子どもがまだ20万人もいることなどを挙げ、「今後10年は支援が必要」と国際社会の継続的な関心と支援を訴えました。

カルザイ大統領の講演後、演台に立った緒方貞子・JICA理事長は、JICAが行ってきたアフガニスタン支援について紹介。この4年半の成功は、アフガニスタンの人々の勝利だと語りました。また、国家の再建を自立して進めるためには物質的な支援と共に開発資金を援助することが重要と指摘。政府機構の強化と同時に人々の能力開発を進めることが大切だと訴えました。


復興の決意こそ希望
PPCがカルザイ大統領と緒方理事長に「苦難が続く中で前進を続けられる希望の源泉は?」と質問したところ、緒方理事長は「人々が逃げ出したり、殺されたり、貧しくて苦しんでいる様子をたくさん見ました。希望というより、そういう状況を何とかしなければならないという決意です」(趣意)と回答。カルザイ大統領は「緒方さんの言う通りです。平和で安定した社会に暮らしたいというアフガニスタンの人々の決意こそ希望の源泉です。アフガニスタンはひどく破壊され、みんなとても貧しい。しかし、アフガニスタンの人々は幸せに暮らせるようになれるとの希望をもってがんばっています。だからこそ、ここ数年間の成功があったのだと思います」(趣意)と応じました。


緒方貞子・JICA理事長
悲惨な状況にある人々を絶対に救うというカルザイ大統領と緒方理事長の真剣な決意、苦しむ人々に対する深い思いやり、何があっても前進をやめない継続性が、アフガニスタンの復興を下支えしているのだと感じました。

太平洋戦争で深手を負った日本が短時日で復興できた背景には、国際社会からの多大な支援がありました。カルザイ大統領と緒方理事長が訴えたように、アフガニスタンにもまだまだ支援が必要です。それぞれの立場でアフガニスタンの人々のためにできることを始めましょう! なお、当日の模様は「国連大学ビデオ・ポータル」(日本語あり)で動画配信されています。


もっとアフガニスタンを知る/アフガニスタンを支援する

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アフガニスタンの「平和の定着」に関する第2回東京会議(概要)
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