外務省/国連大学共催セミナー
「平和構築を担う人材とは」を開催


平日にも関わらず多数の市民が詰めかけた

日本は人材育成に本腰

8月29日、外務省と国連大学が共催で「平和構築を担う人材とは〜アジアにおける平和構築分野の人材育成に関するセミナー〜」を開催しました。筆頭講演者として演壇に立った麻生太郎外務大臣は3点の公約を発表。来年度から本格的に取り組むことを約束しました。

第1の公約は、平和構築を担う人材育成を行うため「寺子屋」をつくること。麻生外務大臣は、現在、PKO(平和維持活動)に携わる文民数(人口100万人当たり)を国別に見るとニュージーランドが最多で11.5人、次いでノルウェーが7.8人、カナダが7人、スウェーデンが6人で続いていることを紹介。平和国家を標榜する日本は、わずか0.16人に過ぎないと説明しました。スウェーデンやカナダをはじめとした国々にはPKOの専門家を育てる学校があることから、日本にも危険な現地で活動できるスキルや調整能力、国づくりのノウハウを学ぶ寺子屋をつくる必要があると指摘。アジアをはじめ周辺諸国からも留学生を受け入れ、将来は同窓生が共々にPKO活動を行うことが理想と将来像を描きました。

第2の公約は、平和構築における知的リーダーシップをこれまで以上に発揮することです。日本はこれまで東ティモールやアフガニスタンの復興においてリーダー国としての役割を務めてきたほか、「人間の安全保障」概念の普及などに努めてきました。国連に新設された平和構築委員会にも当初からメンバーとして関わっており、麻生大臣はこれまで培ってきた経験に基づく「言葉」を積極的に広め、熱を込めて語り、世界の議論をリードしていくことを約束しました。

第3の公約は、具体的な実践活動です。人材を育成し、これまでの経験を伝えていくことはもちろんですが、現地で実際に働く要員を確保しなければなりません。日本は内戦で荒廃したカンボジアの復興に力を尽くしてきましたが、そこで必要とされたのは国づくりのノウハウでした。麻生大臣は「平和構築とは国づくりそのもの」と表現。国が国として自立するためには徴税や地方自治、教育といった行政能力の整備が不可欠です。日本にはそのノウハウがあり、専門的能力を持った人材が数多くいます。そうした人材を活かすとともに、新しい人材を育成していくことを約束しました(麻生外務大臣のスピーチ原文は外務省ホームページで公開されています)。


(左から)ナンビアール氏、グールディング氏、ブラヒミ氏
麻生外務大臣に続いて登壇したラクダール・ブラヒミ元国連事務総長特別顧問は、日本が平和構築の分野で貢献していることを高く評価。平和構築分野にはさまざまな人材が求められるが、特に憲法の策定や司法制度改革ができる人材が必要と指摘しました。

基調講演にはオックスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジ学長のマラック・グールディング氏とインド統合戦略研究所所長のサティシュ・ナンビアール氏も登壇。ブトロス=ガリ氏が「平和構築」を提唱した当初は反発の方が大きかったこと、紛争や問題の根本原因を突き止めた上で平和構築活動に取り組まなければ新たな紛争の火種をまくだけに終わることなどを、実際の経験に即しながらレクチャーしました。

なお、当日の模様は「国連大学ビデオ・ポータル」(日本語あり)で動画配信されています。






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